胃ポリープは過去にはがんの前身と考えられており、見つかったら即切除が基本でした。しかし、最近では良性の胃ポリープならば経過観察で済ませることの方が増えているようです。人間ドックなどの検査で見つかることが多いのですが、これは胃ポリープは自覚症状がほとんど出ないためです。稀に幽門(胃の出口)付近にできたポリープによって小腸に食物が送りにくくなって胸焼けがしたり、ポリープから出血して貧血になることはありますが、ほとんどのケースでは無症状のままです。
よくストレスで胃が痛くなるという事がありますが、ストレスによって胃ポリープが形成されることもあります。胃ポリープは傷が治った跡のようなもので、なんらかの原因で傷ついた箇所の修復部分が隆起してできます。例えば胃酸が多く出過ぎて、それが胃粘膜を傷つけてしまうことがあります。これを修復した跡が隆起して胃ポリープを形成します。
現代人はストレスが多く、そのため暴飲暴食で胃酸過多になってしまったり、胃粘膜を保護する機能が十分に働かなくなることがあります。それによって、胃ポリープができやすくなってしまうという事です。人間ドックでX線写真や胃カメラ検査などで胃ポリープを受けておくと、自分の胃の状態がどうかという事の他に、自分のストレスの度合いを測る指標にもなります。人間ドックで胃ポリープが指摘されても、良性の場合には生活習慣に気をつけるように指導されるだけです。
悪性の場合にはさらに詳しく検査し、場合によってはがん治療に移行することもあります。