人間ドックのPET検査の実力

肥満気味を心配して人間ドックを受けたら、がん細胞が見つかったという予想外のケースもあります。年齢、性別、生活習慣である程度はリスクの高い病気を予測することは出来ますが、それだけでは万全ではありません。特に、がんは一般の法定健診ではがん細胞をほとんど発見することが出来ないので、早期発見には人間ドックを活用する必要があります。予想外のがんが見つかることもある検査に、PET検査というのがあります。

がん細胞がブドウ糖を栄養源とする性質を利用して、放射性物質のブドウ糖のような物質を体に入れることで、がん細胞がどこにどれ位の大きさで存在しているかを調べられる検査です。このPET検査で見つかりやすいがんとして、肺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、咽頭がん、甲状腺がん、食道がん、大腸がん、膵臓がん、などがあります。さらにリンパ節や骨に転移したがんの診断も得意としています。PET検査が不得意なのは、ブドウ糖を多く消費する脳や心臓、ブドウ糖を消費しない白血球、排出経路の腎臓や膀胱、前立腺、子宮頸部、などです。

逆に言えば、これら以外の器官は調べることが可能で、さらに悪性か良性かの診断も出来ます。人間ドックではまだ症状が出ている人でないと保険が適用されないため、広まっているとは言えません。一回の検査で10万円前後するのが普通で、検査代が高額だからです。しかし、かなりの精度で身体中のがん細胞の有無を調べられる検査ですから、40歳以降になったら3年に1度は受けておきたいものです。