人間ドックではさまざまな検査を受けますが、そのなかでも基本となるのが血液検査です。血液のなかには体内の環境を知る手がかりとなる情報がたくさん含まれているため、あらゆる病気のリスクを把握するのに役立てられます。人間ドックでこのような血液検査を受ける場合には、最後まで安全に行うために、受診者としていくつか注意しなければならないことがあります。まず、採血容器には名前が印刷されたラベルを貼付して、他人のものとの混同を防ぐように工夫がされているのが普通ですので、かならず正しいかどうかを確認しておく必要があります。
また、血栓塞栓症などの持病があるために、血液を固まらせないような薬を飲んでいる場合には、検査に影響を及ぼす可能性があるため、そのことを人間ドックのスタッフにあらかじめ申告しておきます。採血のときに、緊張や不安によって、血圧が急に低下してしまい、気分が悪くなってしまうことがありますが、過去にこのような症状が出た人についても、申告しておくことが薦められます。この場合には、寝たままで採血をするなどの便宜を図ってくれますので、不意に卒倒する危険がなくなります。採血では腕に注射針を刺すことになりますので、軽い痛みをともなうのは普通のことですが、まれに採血時に激痛が走ったり、採血後に腕がしびれてしまって治まらないという場合もあります。
これは神経損傷などがうたがわれますので、迷わず人間ドックのスタッフに申し出て、医師に診てもらうことが大切です。