人間ドックでいう脳ドックとは

人間ドックとひとくちに言っても、実は検査する体の部位によってさまざまな種類に分かれています。そのなかでも、特に脳の健康状態をさまざまな機器を使ってチェックし、脳の病気の早期発見と治療に役立てようとするのが脳ドックとよばれているものです。脳の病気というものは、中年になるにつれて発症するリスクが上がるものですので、数ある人間ドックのなかでも、特に30歳代から40歳代以降の人が定期的に受診するのに向いています。ほかにも、家族のなかに脳の病気になった人がいる場合や、原因不明の偏頭痛などが頻繁に起こり脳の病気が疑われる場合などは、この年齢に該当しなくても、人間ドックで脳ドックを受診する価値は高いでしょう。

脳ドックのなかにもさまざまな検査メニューがありますが、基本となるのは頭部MRI検査や頭部・頚部MRA検査とよばれるものです。体の内側のようすを調べる方法としては、エックス線を使った透過写真撮影が一般に知られていますが、MRIやMRAというのは、これとは原理が異なり、磁気を使って体の内部を調べるという方法になります。この方法によれば、放射線による被曝もなく、頭部などの血管の状態を3Dの立体画像として表現することが可能であるため、あらゆる角度から精密に病気の有無を判断することができます。得意分野としては脳梗塞や脳腫瘍などの早期発見が挙げられており、これらはときには命にかかわる病気ともなるだけに、たいへんすぐれたメリットがあるとされています。