現代の日本はストレス社会。特に仕事で強いストレスを感じる人が増えています。社内や取引先との人間関係がうまくいかない場合や、自分で処理できる以上の仕事を抱え込んだりした場合に、大きなストレスがかかります。このような強いストレスは体の不調を引き起こします。

一昔前なら、ストレスは胃や腸などの消化器系の不調を生じさせることが多かったのですが、現代ではうつ病や自律神経失調症にかかる人の数もかなり増えつつあります。このようなストレス起因の病気は、発症した本人はもちろん、雇い主側の経営者にとっても人ごとではありません。貴重な人材である従業員が休みがちになあると、戦力が大幅にダウンして業務遂行の痛手となります。このような状況に鑑みて、近年、ストレスチェックという制度が導入されました。

このストレスチェックは、従業員が抱えるストレスの状態を事前に把握して、サポートするための制度です。現在、従業員が５０人以上の事業所に対してストレスチェックの導入が義務づけられています。ストレスチェックでは、従業員のひとりひとりに対して質問表が配布されます。この質問表には、従業員のストレス状態を把握するためのさまざまな質問が記載されています。

従業員は自分の現在の状態と照らし合わせてそれぞれの質問に回答していきます。回答が終わったら質問表は、医師などの医療機関関係者によって回収され、回答内容に基づいて個々のストレス状態についての判定がなされます。強いストレスを受けていると診断された人については、別途、医師との面談などを行うなど、ストレスを軽減するためのアドバイスやサポートがなされることになります。